IRIR情報

株主・投資家の皆様へ

業界全体で需要が鈍る厳しい状況の中直販への注力や商品開発など市場回復に向けて事業を進めてまいります。

2024年2月期上期の業績はいかがでしたか?
需要が急激に止まり減収減益となりました。 株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼を申し上げます。
密にならないスポーツとしてのゴルフ人気が継続し、ゴルフ用品市場は好調に推移していましたが、他のスポーツやレジャーが動きはじめた2024年2月期上期は、ゴルフ場の活況は続いているものの、ゴルフ用品の需要は急速に落ち込みました。コロナ後の需要の落ち込みは予測していましたが、予想を超える落ち込みに業界全体が立ち止まっているような状況です。これはコロナ禍でのゴルフ人気への対応でメーカーや販売店が在庫を膨らませたところに、他のスポーツやレジャーが動いて需要が鈍化したもので、需要が戻り過剰な在庫が減るとともにこの状況は改善されると見込んでいます。
こうした中、当社は2023年モデル「CQ」シリーズをはじめとする自社ブランドシャフト「TOUR AD」やセカンドブランドシャフト「G」及び新コンセプトブランド「RAUNE」の販売拡大に努めました。海外市場はアメリカ・アジアともに日本同様需要が落ち込みました。
これらの結果、ゴルフシャフトの受注量が落ち込み、2024年2月期上期における業績は、売上高が1,277百万円(対前年同期比25%減)、経常損失が6百万円となりました。
ゴルフシャフト事業の取り組みをお聞かせください。
プロ選手トップダウン型の販売に加え、直販への取り組みを強化しました。 2024年モデルの「VF」シリーズは、PGAツアー攻略を念頭に置いて開発したシャフトで、プロ選手や競技志向のプレーヤーに向けて積極的に訴求してまいります。
昨年、特性の異なる「aG19」が加わってバリエーションに厚みを持たせたセカンドブランドシャフト「G」シリーズは、引き続き女子プロ選手の使用率向上に努めました。また、一般ユーザーへは積極的な試打会の開催によって着実に知名度を上げています。
新コンセプトブランド「RAUNE」は、需要に生産が追いつかずご迷惑をおかけしましたが、現在は需要に応えながら販売も堅調に推移しています。市場の高い評価を背景に、メーカーカスタムにも採用されました。
また、この度「秩父 弐」を発売いたしました。テストではシニアの方々から高い評価をいただきましたので、シニアから女性までさらなる飛距離を追求する皆様のご期待に応えることができるプレミアムシャフトとして訴求してまいります。
メーカー在庫、流通在庫が多く商品が動かない状況における販売戦略として、ショップや量販店に直接アプローチする直販を強化しました。営業全体の人数は変えずに直販担当のボリュームを増やし、個々のショップの特徴に対応した営業活動を行っています。その一方で、プロ選手の使用によるトップダウン型の拡売は、販売数量を伸ばす基本的な戦略として継続してまいります。
海外市場の状況をお聞かせください。
アメリカ市場、アジア市場ともに需要が落ち込んだ厳しい状況です。 アメリカ・アジアともに、日本と同様需要が落ち込んだ厳しい状況です。海外市場も日本同様に膨らんだ在庫の解消を待っている状態で、早期の回復を望んでおります。
コンポジット事業の取り組みをお聞かせください。
「塑性加工パイプ」の基礎固めと共同開発による製品化を進めています。 CFRP製品を設計・生産する当社の高度な技術とノウハウを活用し、CFRPを用いた製品を開発・供給しています。
特許を取得した独自技術の「塑性加工パイプ」については、その可能性を探る基礎データの収集を大学や国の研究機関と協力して進めています。
自動車のオプションパーツは他車種への横展開が進み、メーカーによる北米市場などへの輸出に期待しています。スポーツ分野では世界的には一定の市場があるビリヤードで使用するキューのフルカーボンシャフトの共同開発を進めました。
下期に向けての展望はいかがでしょうか?
ゴルフシャフト事業の回復に努めコンポジット事業は基礎固めと共同開発をさらに進めます。 ゴルフシャフト事業は株主の皆様からの応援もいただいておりますので、業績の回復に全力で取り組みます。主力ブランドの「TOUR AD」に加え、セカンドブランド「G」、新コンセプトブランド「RAUNE」、さらに「秩父 弐」の発売でバリエーションが充実してきました。これらを組み合わせて、直販ではショップの特徴に合ったブランドを訴求してまいります。アメリカ市場に対しては、代理店と連携を深め、さらに取り組みを強化してまいります。
コンポジット事業では、「塑性加工パイプ」の基礎研究を産学共同で続けるとともに、共同開発による製品づくりも積極的に進めます。引き続き、当社の事業の第二の柱になるように、しっかりと取り組んでまいります。
株主の皆様におかれましては、なにとぞこれまでと変わらぬご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

代表取締役社長 山田 拓郎