前期に続き、メーカーや流通の過剰在庫の影響が続く厳しい状況でしたが「TOUR AD」新作2モデルを同時発表するなど、業績向上に努めました。
株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼を申し上げます。
2026年2月期上期は、消費動向におけるレジャーの多様化が一層進んだこともあり、ゴルフ用品の需要回復には至りませんでした。また、各クラブメーカーの在庫管理強化策によるカスタムクラブの減少が継続しております。
こうした中、当社は2025年モデル「GC」シリーズをはじめとする自社ブランドシャフト「TOUR AD」や「RAUNE」などの国内市場での直販に注力し、アメリカ市場では大手メーカーとアフターマーケットへの取り組みをさらに強化しました。
しかしながら、2026年2月期上期における業績は、売上高が1,313百万円(対前年同期比21.7%減)、経常利益が31百万円(同89.3%減)となりました。
「TOUR AD」は今年で発売25周年を迎え、さらなる躍進を目指してロゴを刷新し、新モデルを2タイプ同時に発表しました。
8月4日に都内で開催した発表会は、メディア関係者約60名と当社のお客様にも参加していただき、日本ゴルフ協会(JGA)との新たなパートナーシップである「日本アマチュアゴルフランキング」のネーミングライツ取得の発表も兼ねた当社初の試みとして開催しました。予想を超える反響をいただきましたので、今後もインパクトのある新製品発表会を開催してまいりたいと考えております。発表した「TOUR AD」の2026年モデル「FI」シリーズは、2025年モデルの「GC」から採り入れた新しいテクノロジーを踏襲しており、日米のプロ選手やアマチュアの上級者にご満足していただけるようなシャフトになっています。シーズン中にもかかわらず、試打したプロ選手からも高い評価をいただいており、今後の使用拡大を期待しています。
同時に発表した「TOUR AD Lia(ライア)」は、「TOUR AD」シリーズ史上最軽量の次世代シャフトとして、フルラインナップで発売しました。発表会では会場近くに試打会場を設け、多くの方に試していただきましたが、「こういうシャフトは今までなかった」と驚かれていました。「TOUR AD」ブランドの中に新たに設けた軽量カテゴリーのシャフトとして、これまでの軽量シャフトでは物足りなかったゴルファーに使っていただきたいシャフトです。
「日本アマチュアゴルフランキング」のネーミングライツ取得は、これからの日本のゴルフ界を担う若いゴルファーを支援していくことの一助として位置づけており、JGAを通じてさまざまなサポートをしていきたいと考えています。
ショップや量販店に直接アプローチする直販は、担当者を増員して着実に売上を伸ばしています。8月の発表会には、担当者がまだ訪問できていなかった販売店の方も数多く来ていただきましたので、しっかりとフォローしてまいります。
アメリカ市場に関してはTOUR ADの「DI」と「VF」が依然好調で、大手メーカーのカスタム採用も継続し、ショップの直販も堅調に推移しています。引き続き現地代理店へのフォローに注力し、プロ選手の使用率向上と拡売に努めます。
ゴルフシャフト事業で培ったCFRP製品を設計・生産する当社の高度な技術とノウハウを活用し、CFRPを用いた製品を開発・供給しています。
特許を取得した独自技術の「塑性加工パイプ」については、昨年「コンポジットハイウェイ・アワード2024」グランプリを受賞し、その審査員の方々が所属する会社などからお問い合わせをいただいています。
共同開発では引き続き、「自動車用オプションパーツ」をはじめ、「ビリヤードキュー」や「カーリングブラシ用ハンドル」、「スポーツ吹き矢」など、さまざまな分野で共同開発に取り組んでまいります。
ゴルフシャフト事業は、「TOUR AD」の新製品「FI」と「Lia」の拡売と国内市場における直販の推進、アメリカ市場における大手メーカーのカスタム採用とアフターマーケットへの取り組みに注力してまいります。
コンポジット事業は、「塑性加工パイプ」の基礎研究を継続し、メーカーとの共同開発による製品づくりも積極的に進めてまいります。
また、新工場の建設は順調に進んでおり、来年1月から稼働を見込んでいます。効率化、快適性、安全性など、業務環境を一新して生産に取り組みます。
株主の皆様におかれましては、なにとぞこれまでと変わらぬご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
代表取締役社長 山田 拓郎